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ラスベガス シティセンターの環境への配慮 : Las Vegas City Center

先日あるきっかけで、環境について再び考えさせられた。

去年観光について学んでいるときに教わった内容が今になって繋がった。

海外の情報は思っている以上に日本に入ってきていない。

それが重要であろうと無かろうと、思っているより日本は情報に関して門戸を十分に開いていないのかもしれない。

著名なデザイナーの方にこの話を聞いたのだが、時間にして60分程だった。

ほとんどが初めて知るものだった。

それについて今、半年後自分がインターネットで調査してみると如何に資料が少ないことか。

検索するにも時間がかかるし、一次資料までたどり着けない、もしくはなくなっていることもしばしば。

 

そこで本題のLas Vegas City Centerを中心とした観光と環境の話。

Las Vegasには2度行ったことがある。

2010,2013年の夏。

その間にストリップ沿いにトランプタワーができたり、今回の話題となるシティセンターができたりしていた。

カジノ、コンドミニアム、エンターテイメント施設がそろっており、説明を聞かずとも新たなランドマークができたことがはっきりとわかった。

長年空き地になっていたモンテカルロベラージオの間にできた。

カジノホテルのアリア、カジノを持たないマンダリンオリエンタルとハーモンの3ホテル。

加えてコンドミニアムが二つとショッピング施設も併設している。


CityCenter Las Vegas - YouTube

この動画を見てしまうと肝心な伝えたいことがほとんど伝わってしまう気もしますが、ぜひ見てください。

 

シティセンターは非常に面白い。

ラスベガス、ストリップというイメージに対して、そのイメージに沿いつつも極端に反対な中身、設計、設定を行っていることがある。

カジノが無かったり、全て禁煙の施設があったり。

落ち着いた空間に水や緑が溢れていたり。

 

そしてここで最も伝えたいことは環境に対する配慮。

全てはデザインされていました。

日本では環境に対する意識が低いと良く言われる。

ビジネスがそれでうまく行っているかと言ったらそうでもないと正直思う。

動画でも触れられているが設計段階で相当綿密に環境への配慮が行われている。

デザイナーの方も強く語っていたが、一人でできることではなくあらゆる分野の専門家が集まって協力したとのこと。

 

わかりやすくするために、結果を先に引用で表示する。

ラスベガス観光局から。

ちなみにラスベガス観光局のホームページの情報量やその開示の仕方は非常に魅力的で学ぶことが多い。

見るだけでも楽しいし、必ず訪れてみたくなるはず。

http://www.visitlasvegas.jp/media/20110127.pdf

URLがこちら。

 

そして引用。

 

シティーセンター(CityCenter): 

• シティーセンターはラスベガス・ストリップ沿いのプロジェクトとしては初めて、8.5 メガワットの天然ガス熱電併給発電によるエネルギーを発生させ、高効率な電力を供給し、温室効果ガスの排出を抑えた上で、すべての敷地内給湯を“廃熱”で賄っています。 

• 水の保全技術により建造物内の約 40%の水と屋外庭園用水の 60%、合わせて年間 1 億 8900 万リットルもの水を節約しています。 

• 世界で初めて、大気汚染の少ない圧縮天然ガスを動力源とする、車体を長くしたストレッチリムジンを多用しています。 

• ボードウォーク・ホテルの解体廃材の 80%以上に相当する 26 万トンを超える建設廃棄物の再利用を可能にした大規模リサイクル事業を実施。 

• 相乗りのカープールを利用して、あるいは代替燃料駆動車両で到着したゲストへの優先パーキング・サービスの提供。自転車利用者にはバレット・サービスがあります。 

 

ここまで。

動画でも触れられていたようにアクセスに関しても設計があり、その移動手段の燃料にも気を使っている。

そして水が無いラスベガスで如何に水を有効に使うか、正直これほどの結果を出していることには驚愕せざるを得ない。

ホテルを造る際、壊す際には大量の資材が必要となる。

ラスベガスは地理的な要因から水と同じく様々なものを持ち込む、持ち去ることが容易ではない。

商業的観点だけでなく環境的な観点からも明らかなことだ。

その現状に対して解体廃材80%以上をリサイクル。

画期的であり、事前に設計、計画していないと不可能であることがわかる。

 

「世界最大のグリーン化開発プロジェクト」と評される理由がわかる。

フットボールフィールド300個分の土地に対して多くの人員と期間がかかったはずだが、そこから得られるものは大きい。

特に長期的な視点において。

 

話は少しそれるが、アメリカだけではなくヨーロッパでも環境に配慮した消費者、旅行者は増加している。

ホテルを選ぶ基準の一つとして当たり前のように扱われている。

同じ値段ならよりエコなホテルでという人も少なくない。

 

ここで基準となっているのは「LEED」。

日本では聞いたことが無い人も少なくないのではないか。

Leadership in Energy & Environmental Design

アメリカの非営利団体グリーンビルディング協会(USGBC)が認定している。

環境に配慮した建築物に対して与えられる認証システムのようなものである。

デザイナーの方曰く、半年前の段階で、これからアメリカだけでなく世界の建築においてこの基準はきわめて重要になってくるとのこと。

せめて名前だけでも知っておく必要があると。

市場自体も爆発的に膨らんでいくと見込まれている。

 

環境への配慮がブランディングにもなっているとも言われているが、既存の建築物より環境に配慮しているのは間違いないのではないか。

 

そしてやはり、環境に関しては対応も大事だが事前の対策が最も重要になる。

装置産業に対してその意義は大きい。

 

そして驚くべきことは、ラスベガスの他のホテルや施設も環境に配慮した取り組みを多数行っているとのこと。

詳しくはラスベガス観光局のPDFを参考に。

 

アンコール、シーザーズ、MGMどこもが環境に対して配慮を行っている。

果たして日本の建築に対する環境への配慮はいかなるものであろうか。

 

世界の最先端の観光地でこのような取り組みが行われていることはより知られても良いと思う。

その技術や意識、熱意が少しでも広がると良いと思った。

 

こちらがtime laspe。

こんなに大規模開発をしていると一見環境なんて考えていないようにも見える。

しかし、奥は深い。


Las Vegas City Center - ( Time-Lapse Build ) - YouTube