Carpe Diem

Think good thought.

step

 

 段階。どのようにして人は様々なことを学び吸収していくのか。以前人に聞かれたことがある。知らないこと、わからないことがあったらどうしますかと。本を十冊程借りてきて、人にも意見を聞いたりして答えを探したり理解を深めたりすると。質問をしたその人は驚きと軽い軽蔑といった感じ。そんなことは信じませんとも言いたいような表情だった。とにかく信じていなかった。けど実際僕はそうする。誰もが自分なりのやり方を持っている。そしてそれにはしっかりとした、もしくはわかりにくいけど確固たる段階のようなものがあるはずだ。傾向のようなものが。どうやって人はそれを学んでいくのだろうか。これに関してはとってもパーソナルな具体例を見ていった方が早い。

 例えば、本。本当に知らないことがあったら本あたるようにしている。正確に言えばそうなった。大学時代までほとんど本を読んだことがなかった。大げさではない。集中力の欠如と言った問題ではなく単に興味関心がなかった。そして、今でもそうではあるがないことで特に不便はなかった。本を読むべき時期でもなかっただろうし、読んでも何もわからなかったかもしれない。それが大学に行ってから果てしなく読み始めた。今では一日に一冊。一日平均125ページ程。ジャンルは色々なもの。最近知ったが自分がどんな本を求めているのかを知ることは大切らしい。あくまでも自分にとっての話。ビジネスの本と小説を半々ぐらいで読む。心理学などに関してもいくつか。言葉に関しての本も読む。国際文化や日本に関しても。そのように一つのテーマに関していくつかの本をまとめて読む。とにかく読む、という訳でもないが読むようになった。小説に関しては一人の作家の本を読み進める。気に入った、吸収したいものがあると思おったらほとんど止まらない。同じ本も二周目に突入するし、関連本も読み始める。そのようなものだ。毎回メモをとる。ポイントを200字以内でまとめる。機会があれば見返す。最近では見返さなくても覚えるようになってきた。これが本についての話。

 映画。昔から、洋画ばかり見ていて邦画はほとんど記憶にないくらい。外国人俳優の名前を覚えられない人は少なくないらしいが、自分はその一人ではない。シリーズで10回以上見たものもある。基本的に繰り返し見ることは少ないが、部分部分なら何度も見ているということは良く起こる。大学に入ってから一年目には100本以上見た。ほぼ洋画のみ。映画館に行くことも少なくはなかった。多くもなかったが。ジャンルは多岐にわたるがヒューマン系が多かった。アカデミー受賞作品をよく見ていた気がする。アクションには特に興味を示さなかった。シリーズ物は見始めたら最後まで見てしまう。どのように段階を踏むのか。ジャンルだけじゃない。例えば一人の俳優に焦点を当てる。もしくは作家、監督。そしてその人の作品をどんどん見る。ほとんどつきることはないのだが、それをしているだけで相当数の作品に出会うことが出来る。自分の中でお気に入りができてくるのでまた関連作品を探す。好きなものは日本語字幕、英語字幕、字幕無しでも見る。

 そして音楽。これは子どもの頃から聞いている。昔から聴いている邦楽を除いて、大人になってからは洋楽を聴く機会が増えた気がする。The Beatlesを大学に入ってから聞き始めた。ライブ版を除いてほぼすべて聴いた。そして、聞くだけじゃなくてライナーノート、歌詞、和訳、インタビューに関する記事や裏話もすべて読んだ。書籍を購入し研究したという訳ではない。CDに入っている文章は少なくともすべて読んだと思う。あまりにも多く読みすぎて一曲ごとの話を忘れてしまった。その他の英語圏のアーティストの曲を聴くときも歌詞をしっかり読んで聞いている。何を歌っているのか理解せずに楽しむのは簡単ではない、もちろんその種類の音楽もあるが。これがステップである。

 こうやって一つ一つのステップが踏まれていく。それを熱中と読んでもいいかもしれない。ある段階ではあるものにしっかりのめり込む。それで自分なりのやり方が出来てくる。それをどんどん拡大させる、あるいは深めていく。気づけばそのやり方しか身に付いていなかったのかとも思ってしまうが。

 そして最終的にどうなったか。すべてを結びつけるようになった。音楽も映画も本も。すべては結びつく。言葉がどのように語られているか、どの時代のどんな話なのか。環境や背景のことを考えだすと自然にすべてが繋がってくる。

 このステップは、僕が友人から聞いた例だ。段階や進め方は人によって完全に異なる。自分で努力して身につけた人もいるだろうしそんなこと意識せずにやっている人もいる。自分のstepを振り返ってみて人の話を聞いてみるのもいいかもしれない。人の話を聞く方法にもステップは確実にあるのだから。そしてその段階が何か他のものに繋がっていくならそれは良いことではないかと思う。