DESPUES DE LUCIA/AFTER LUCIA　-父の秘密-

この映画もまた、父の秘密という題がしっくりこなかった。

スペインの映画だと思って見ていてほとんど最後のほうで初めてメキシコの映画を見ていることに気づいた。

どんなに悲惨なことも、世界では同様に行われているようだ。

なぜあそこまでひどいことを人にできるかわからない。

いくら演技だとしても心がボロボロになりそうな描写がいくつもあった。

目をそらしたくなって仕方がなかった。

なぜ周りが気づかないのだろうか。

そして子供は本当のことを決して認めたがらない。

物語の設定だけでも十分厳しいのに、引越し先でもこのような仕打ちを受けたら決して立ち直れないだろう。

誰もが心に故郷のような場所がありそこにもいつでも戻れることが大切なのだと思う。

音も少なく淡々と時間が進んでいく様子がまた怖い。

最後の波の音もしばらく忘れられなくなる。

カメラは固定されていて、淡々と波に揺られて戻っていくあの風景。

悲惨な落ち着きを伴った映画。

Carpe Diem