SICKO
シッコ。
昔から見てみたかった。
しっかり書籍やニュースで学んでから見たので悲惨さも伝わってきた。
けどこの映画で感じたのは視線、視点の広さ。
こうやって他の国やたくさんの人のストーリーを知ることが本当に大切なんだなと再認識。
この視点の持ち方こそがマイケルムーアの優れた点であると思うし、この映画に出会えたことに感謝している。
どんな素材を扱おうともこれほど広い視点を持つのは簡単ではない。
人々の物語をこれほどたくさん見たら飽きてしまう人も多い気がするがそんなことは全くなかった。
知らないことがたくさんあった。
ヒラリーのことも。
この映画は思ったよりも問題の本質に迫っていなかった。
あくまでも遠巻きに、広い視点からいろんなカメラを用いて問題に近づいていくといった手法だったように思う。
はっきりとしたことや細かい制度というよりも思考が制度とどう関係しているかが大切なのかとも思った。
なぜ、アメリカにできることとできないことがあるのか。
そこで生きる人たちは自分たちのことどう思っているのか。
そして、他の場所に住み他の制度を持っている人たちはそのことをどのように捉えているのか。
これは見る価値のある作品だと思う。
マイケルムーアの作品の中で最も好きな作品になった。
フランスやイギリス、自分が知らなかっただけかもしれないが世界にはいろんな面が存在することを知った。
医者の存在、仕事、社会的地位。
自分の能力がどこで最大限発揮できるかを生きていく上で真剣に検討してみる価値は大いにある。
それは単純に自分を救うだけではなくて、多くの人の命を救ったり幸せをもたらすことになる。
知らない世界を見てみることの大切さ。
自分の世界だけじゃ文句を言うことも実際できないだろう。
どこが間違っていてどこが良いかも正確に捉えることなんて不可能だ。
議員に対してロビーストが4倍いてもそれは正常かどうかはわからない。
一般人、真面目に生きている人より刑務所の中の人間に素晴らしい医療が無料に近い形で、いや、税金で提供されるということはどのようなことなのだろうか。
戦争で雇用がしっかりできるなら、そのお金や労力を他にも使えるはずだという考え方。
民主主義は本当に素晴らしいのか?
恐怖で煽る。
教育と健康と地震は国民に与えるべきではないのか。
政府を恐れる国民と国民を恐れる政府。
子供が生まれたから洗濯をしてくれる人がいる国。
本当に多くのことを知った。
構成から一人一人のストーリー、巨大すぎる重要な問題まで学ぶことが多いしハットさせられた。
ぜひ見て欲しい。