Carpe Diem

Think good thought.

New Yorkと東京

 

 New Yorkは特別な場所だと思う。地球上にいろんな国があり、地域があり都市があるわけなのだが、New Yorkは特別な都市であると思う。あくまでも個人的な感覚の話なのだが。初めてNew Yorkに行くまでほとんどその場所について知らなかった。普通どの程度知っているものなのかはよく把握できないけど、自分のイメージでいえば一般の人と同じくらいしか知らなかったと思う。今となっては自分にとって特別な場所となっているが、今も昔もニューヨークは世界中の人が関心を持っている場所なのかもそういえば謎だ。けど、東京という都市がそうであるように、New Yorkも魅力的だと思う。東京という言葉を聞けば何かしら思い浮かぶだろう。日本人と海外の人にとってはその感覚が異なるかもしれないが。日本でも東京に行ったことがある人は限られているかもしれない。行ったことがある人でも仕事できていたい人、暮らしていた人、いろんな人がいるわけだから東京に対する経験やイメージはそう簡単に一つにはならない。TOKYOもまた独特な響きを持っている。

 まずは東京について。TOKYO。東京イコール日本というイメージもある程度世界では浸透しているのではないか。そもそも日本という国が世界でどれだけ知られているかは全くわからないが未だにハイテクなどのイメージが強いのだろう。中南米のどこかの島の出身の方に東京は今でも他の星にいるように感じられるくらい進んでいるんだろう?と聞かれたことがある。本当に答えに困った。その人は真剣に尋ねていたようだったから。尋ねる、質問するというよりは当たり前のことを確認するような口調だったのかもしれない。それで間違いないといったような感じで。冗談で、くだけたかんじでからかっているように聞いてくれたら何か気の利いたことを話せたり答えられたかもしれないが答えに困ってしまい結局はノーと言っただけだった。東京はすごいと思う。ものすごく。初めて行ったのはいつだろう。子供の頃から何度も入っているので思い出せない。行くというのにはもちろん理由がある。ほぼ毎日通っていたこともあったが、正確には東京には一度も住んだことがない。そこはいつでも、一時的に訪れる場所だった。県と都の境に近いところに住んでいたからだろうか。なんとなくこの前人生を振り返ってみて初めて気づいた。そういえば、東京に住んだことはないのだと。けど、感覚としては住んでいると言ってもそれほど違わないと思う。決して住んだことはないのだけどどこまでも身近だ。いつも思うことがある。自分が外国人だったとしたらどうだろう。それもアジア出身じゃなかったとしたら。その状態で初めて日本を訪れた時にどのようなことを感じるだろうか。そんなことをいつも考える。三つの文字はどのように映るのだろうか。日本語はどのように聞こえるのだろうか。東京はどんな場所だろうか。世界で最も進んでいると確信するのか。綺麗すぎて驚いてしまうのか。やはりアジアだと落ち着いた気持ちになるのだろうか。

 若い頃は、時間があればある分東京に出かけていた。出かけることが好きだったからそれはそれは楽しかった。東京は広い。23区だけでも狭いと表現するのは難しい。名所もたくさん存在する。ほとんどの場所は言ったのではないかと思えたのが20歳過ぎ。それでも、行ってない場所ばかりだったが。それでもいろんな場所を歩き回ったし、主要と分類される場所ならおそらく全て回っただろう。その時は、とてつもなく楽しかった。他の場所と比べるわけもなく東京はすごかった。建物。景色。夕日に夜景。新宿、渋谷、お台場。東京駅。いろんな風景がある。東京タワー。増上寺。池袋。品川、有楽町、大手町。いろんな風景があっていろんな人がいる。それぞれについて長い文章を書くことだってできるだろう。そして東京は常に新しくなっていく。東京駅が綺麗になったように。今では外国人観光客も増えている。

 なんだって、新しいものが入ってくるのは東京だ。しかもそれぞれ東京の中でも場所がはっきり分かれている。言わなくてもわかるだろう。ファッションならあの場所、レストランもあの辺り。知っている人も多いしそれは明らかに分かれている。けど、その分類はあまり明確ではない気がする。ニューヨークのそれとはまた異なる。東京に古いものはあるだろうか。新宿御苑明治神宮。上野公園。いろんな顔を持っているが東京は広い。

 New Yorkの話。最初行く時まで、その場所について何も知識を持っていなかった。今持っている知識は全て、ほとんどすべて初めて自分の足で歩いてから知ったものばかりだ。New Yorkに向かうまでの列車の中でいろんなことを考えていた。列車の確か右側に座っていたと思う。しっかり窓側の席。スコットフィッツジェラルドのグレートギャツビーを読んだことがあった。その中にNew Yorkに近づいていく際の描写があったはずだ。それを思い浮かべていた。頭の中に浮かべて。初めてマンハッタンが見えた時は曇りだった。けど、悲しくなかった。たいてい旅行において天候の不順により気分が落ち込むことは多いがその時はそうではなかった。確か、エンパイアの上の方も見えなかったと思う夏にもかかわらず。にわか雨ののち晴れ間が見えた。ニューヨークはすごい。新旧が混ざっていると東京がよく言われるが、それはこの街のことではないかと思った。いきなり教会があるしその隣は信じられないくらい高いビルだったりする。五番街は今でも思うけど銀座とは比較にならない。セントラルパークの雄大さ。よくあのような空間に人口にもかかわらず緑に溢れる素敵な空間を作り出したものだと思う。それぞれの地域には名前があり特色がはっきり分かれている。芸術、食、文化、仕事のための場所。歴史が息づいている。今でも昔のことを想像すればその時に戻れる気がする。歴史がある。そしてその歴史は今とも繋がっている。それが東京との違いなのだろうか。いろんな映画を見た。ニューヨークを舞台にした映画やドラマなどは相当数見た。そしてニューヨークに自分で足を運んだ回数は確か7回。国内外でも多数回訪れる場所は多くない。いろんな人を招待したり案内したりした。そして、そのたびに自分の成長度合いを感じていた。もう、今となっては正常な判断ができない。憧れもあるし現実を突きつけられた場所だった。New Yorkの面白い場所は、今でもすぐにその場所に行けるということだ。ブルックリンブリッジもあるし、あの映画の有名なシーンと思ったら、それが目の前に存在することに驚くだろう。多様性が豊かすぎてどんな話も信じられてしまう。みんぞk、言語、文化、音楽、肌の色。なんだってありなのだ。街角を何気なく歩いている。きまぐれに写真を撮っても風景になる。最高の街だ。刺激に溢れている。東京ではそんなことはできないと思う。

 東京で映画を撮ってみようと思っても限界があると思う。ロストイントランスレーションのような世界にしかならない気がする。街がストーリーを規定してしまう。しかし、New Yorkは街自体がストーリーを与えてくるし、どんなものでも活かされうる。プラザホテルだって今でもあるわけだしティファニーもあるのだから。アンダーグラウンドだって存在するし、誰にでもチャンスはあるのだ。結果はわからないが。いろんな可能性を殺さない街、殺してくれない街。夢を見させてくれる街。歴史は短いかもしれないが深い。