Carpe Diem

Think good thought.

環境よりアクセス

 

 環境という言葉を定義するのは簡単ではないと思う。範囲が広すぎるし時代とともに変わっていく。環境は良く最も大切なものだと言われる。生きていく上で。どんな人と付き合うのか。どこで生きていくのか。そう使われることもあるし、自然に関して使われることも少なくない。環境問題。地球の限りある資源を守ること。これ以上自然を破壊するともっと良くないことが起こる。環境が意味するところはとても広い。

 環境に関しては多くの人の意見を聞く。本当に多くの意見が溢れている。

 給料。あなたの最も親しい人たち、もしくは最も頻繁に付き合っている人たちと生活環境が似くるという話。給料も似てくるのかもしれない。もしくは似ているから付き合っているのかもしれないし気持ちも楽なのかもしれない。

 仕事。最初の仕事を環境で選んではならない。その仕事自体で選ぶべきだという記事を読んだことがある。環境はどこに行っても変わる。だから自分が好きそうな環境を選んでも特に意味はないのだと。同じような興味を持って同じ方向に進む人間がいればよいという訳ではない。最初の仕事は特に、自分が心地よい場所(つまり同じような人が集まる環境)に留まるのではなくて仕事自体をじっくりと見つめろという記事だったと思う。その仕事内容は業界でどのような位置を占めているか。どのような能力が身に付いて将来度の方向に進んでいくことが出来るのか。けどそのようなことは、最初の仕事ではわかりにくいのではないかと思う。

 真逆の意見もある。これはちまたにあふれているような気もする。簡単に言われている気もする。「環境がすべてだ」と。自分が変わることは容易ではない。どんなに強く願おうと、決心をしても行動はそう簡単には変わらないし続かない。人生は何か劇的なことがないと動かないと思っている人もいると思う。例えばそれは死かもしれないし、それに近い経験かもしれない。同じ場所に留まっていたら絶対に何も変わらない。だから考えることより何よりも先に行動すること。それはつまり、場所を大きく変えてしまえということ。留学したいしたいと言っておきながらしない人。そんなこと行ってないでいってから考えろとおアドバイスする人。環境が変わってしまえばそれに適応するしかない。それが大切なのだとその人たちは言う。場所が変われば食べるものも変わる。出会う人も。それゆえに行き方や考え方も変わっていくかもしれない。

 環境問題についてはこの前大きく興味を失った。世界でいろんな対策がなされているがその費用に対して効果が表れにくいらしい。それを聞いただけで少しどうしようもないという気持ちになってしまった。大きくてとても重要な問題にも関わらず出来ることが少ないように感じさせられる。元々自然が相手なのだからしょうがないのだが、と言ってしまえば良いのかもしれないが人間が引き起こしている問題ばかり。人間は自然の一部だったはずなのに。

 環境こそが一番大切なのかはわからない。そう信じていたときもあった思想信じたいときもあった。簡単に環境を変えられる人もいればそうでない人もいると思う。自分の居場所から飛び出して新しい土地に行くこと。それは心理的な障壁かもしれないし金銭的なものかもしれない。当たり前だけど、ものごとの収まり方は一つではない。環境を変える、つまり住む場所や付き合う人が大きく変わることで自分の生き方も大きく変わる人がいる。それが成功か失敗かはその人にはわからないが以前とは同じではなくなるということ。その反面、環境が変わっても同じことを繰り返す人もいる。いい意味で、どの環境でも力を発揮できる人もいるし、環境を変えて希望を持っても同じ過ちを繰り返し何も変わらない人もいる。

 アクセスがとても大事だと思う。特に若いうちは。アクセスも環境という言葉の意味の一つに含まれる気もするが。アクセスとは距離感と言うか、その手段のこと。もし求めるものがあったとしてそれにどれほどで到達できるかということ、身近さ。それがあるかないかで大きく異なると思う。どんな場所にいても、どんな環境でも変わらないものも変わるものもある。とにかく自分にとって重要なものへのアクセスがそれぞれあれば良いのではないか、それこそが最も重要なのかと思う。ある人にとってそれはインターネットかもしれない。ある人にとっては空港。海外に行きたいと思っているのに空港から15時間のところに住んでいてもそれはどうなのだろうか。人が最も大切な場合もあるだろう。どんな環境にいてもそのアクセスを常に確保し続けること。娯楽、趣味、学問、仕事、人間関係。どんな場所にいても自分で選択することが出来るものがある。自分が大切だと思うものへのアクセスを確保しておくこと。自分で選択できるものをしっかり選択すること。アクセスこそが最も大切で常に絶やしては行けない。どんな環境であろうとも。