三年程振りに尾瀬へ。
前回は五月の終わり頃だったか、鳩待から尾瀬ケ原の見晴らしまで。
今回は大清水から大江湿原まで。
行く途中の道でシカに遭遇した。
実際よくあることらしいのだが日本で道路を走っていてシカを見たことは初めてな気がする。
走行中だったからかカモシカのように見えた。
メリーランド大学の学内を走っていた時以来の遭遇。
平日ということもありとにかく人が少なかった。
団体のツアーも全くなかったのでひっそりしていた。
朝六時に出発して帰ってきたのはちょうど正午。
想像は特にしていなかったが素晴らしい景色が待っていた。
以前歩いたコースとは全く印象が異なる。
行きはほとんど上り。
湖について下っていくまでは一、二時間上り続ける。
体力ややる気や根気のない人には厳しいかもしれない。
途中から見える山並みも素敵だった。
秋ということもあり空気は冷たい。
朝は15℃を切っていたと思う。
歩いていくうちに太陽がでてきたり風が吹いてきたりで気温は大きく変動した。
緑がまだ美しい季節。
所々で紅葉が始まっていた。
沼と湿原は表現し難い美しさ。
とにかく美しい。
広さ、空の高さ、水の張り、木の間隔、緑と黄色の割合に木の幹の白さ。
吹く風の心地よさと気づかない程の葉っぱが重なりあう小さな音。
とにかく見たことあるようでない景色だった。
これまで見てきた景色が一堂に会しているような気もした。
ある場所は北海道のある場所のようにに見えたし、ある場所は絵画で見たワンシーンのようだった。
季節も天候も良かったし、運も良かったのかもしれない。
久々に長距離を歩いた。
思い出のマーニーの景色に入り込んだような気分だった。
出来ることなら一日湿原にいたかった。
晴れた時、太陽が当たって黄金に染まる。
何とも言えない感情。
すべてが本当に美しかった。
生きていて良かった、人生は素晴らしいなと思えた。
また行きたいし誰かを連れて行きたい。
身近にこのような場所があるのはやはり幸せなことだ。
苔も生命を感じさせてくれた。