Carpe Diem

Think good thought.

文化的植民地

 

 香港を訪れて、台湾の話を聞いて、日本でニュースを読んで改めて思った。文化にもつながりがある。文化。特に感じたのは食事。他にも本や音楽が身近なものとして存在する。香港にも日本のものがたくさん売っている。たくさんというのは日常で容易く手に入るということで、毎日日本の製品を見ないことがないということ。コンビニに行けば日本のお菓子が売っているし表記も日本語のままのものが少なくない。スーパーマーケットの一角は日本の製品で占められている。台湾もそうであるらしいのだが少しお金を払いさえすれば日本のものを手に入れることが出来る、ほぼなんでもすべて。

 これは、日本の人にとっても現地の人にとっても日常であることは間違いないのだけど、面白いことだと思う。出て行く先があること、そしてそれが受け入れられる先があることは素晴らしいことだと思う。文化に関わらず政治経済思想、すべてに及ぶし、すべてが良いことではないということも明らかではあるのだが。

 出口があるということ。そして、受け入れられること。需要があること。例えば英語を使っている国は多いし、使いたいと思っている人は世界に多く存在する。英語のネイティブスピーカーはその必要とされる国に行けば英語教師になることが出来る。その人はまず、必要とされている。そしてその人は、働くことが出来る、賃金を得て他の国で生活することが出来る。住んで暮らしていれば多様な経験も困難も得られるだろう。

 食においても娯楽に置いても。必要とされることは嬉しいことだと、基本的には思う。企業の場合は雇用を生むことが出来るし、自分が価値があると思っているものを(必要、需要があると見込まれる場所に)提供できる。新たなマーケット、そしてお金を得られる市場と見なすことが出来る。嬉しくない訳がない。

 すべてが資本主義で需要と供給の環境、関係で成り立っている訳でもない。

 しかしながら、出口があること、そしてその場所以外でそれを必要としてくれる人がいることで、文化は新たな可能性を得る。そのスタイルが生き続けることが出来るきっかけになるかもしれないし、新たな創造の機会にもなりうる。

文化的にというか歴史経済的に、戦争や領土争い、宗教等様々な関係で世界のバランスや国というものは成り立っている。しかしそこを、基本的は人間の作り出す文化で超えていけるというのは素敵なことではないだろうか。植民地という形ではなくて。